この記事では、「目をつぶる」と「目をつむる」の違いと意味や類語、例文を徹底解説します。
普段あなたは、「目をつぶる」と「目をつむる」のどちらを使用しますか?一見どちらでも相手に伝わるので、両方間違っていないと思ってしまいますが実際はどうでしょう?
今回は、「目をつぶる」と「目をつむる」の違いやポイントをわかりやすくお伝えするので、正しい表現を使いたい方はぜひ最後までお読みください。
目を瞑るとは
目を瞑るは「目をつむる」と読みます。意味は「目を閉じる」または「まぶたを閉じる」といった意味を示します。
つまりこの言葉は、周りの景色などが見えないように目を閉じて視界を防ぐ行為を指すときに使用します。
「瞑」は目を閉じる行為の他、「めまいがする」や「見えない」、「暗い」といった意味があります。「瞑想」や「瞑目」といった形が熟語の例として挙げられます。
目を瞑るの意味
目を瞑るは、手やサングラスやアイマスクなど何かを物を使用して目をふさぐといったことではなく、瞬き(まばたき)を長時間行わないといった、自らがまぶたを閉じる状態にすることを指します。
つまり、自分の意思で周りの景色を見ないようにするという意味があり、それが転じて「見逃してやる」、「見て見ぬ振りをする」といった意味を示す場合もあります。
目を瞑るの使い方
目を瞑るは、相手にとって見られると都合が悪い行為や場面などを目撃されたり、そのような事実が知られた時、または知られたら困る行為を頼まれたりした時などに使用する言葉です。
自分から進んで「そのことは見なかったことにしてほしい」あるいは「知らなかったことにしてほしい」と申し向ける場合に使われます。
しかし、このように使われる場合、「瞑る」の読み方は一般的に「つぶる」と濁ります。
「目をつむる・目をつぶる」読み方は2パターンある
前述で、目を瞑るは「目をつむる」と読み、目を閉じる行為を示すが、申し向けする場合には「目をつぶる」と読み方が濁ることをお伝えしました。
ですから、「目を瞑る」には「目をつむる」と「目をつぶる」の2パターンが存在するということです。
以下では、さらに詳しく「つむる」と「つぶる」の違いと由来、使い分けについて解説します。
目をつむる・目をつぶるの違い
目をつむると目をつぶるの違いについて解説します。
まず、「目を瞑る」という語句は、目を閉じる行為を示す場合は「つむる」または「つぶる」と読まれます。
そして、ある行為や場面について見て見ぬ振りをするという意味の場合は、「つぶる」と読まれるのが通例です。
瞑るの由来
「瞑る」は古語の「潰る(つぶる)」からきているという説があるため、「つぶる」から発祥したと考えられています。
「潰る」は現代では「潰れる」という動詞となっていますが、元々は「物体の角を取り除き、丸くする」といった意味を表す言葉です。
「つぶる」は、赤ちゃんや女性に対してよく使われる言葉「つぶらな瞳」に用いられている「つぶら(円)」と同じ言葉だとされており、漢字からもわかるように「丸いもの」や「丸くする」という意味があります。
ですから、当初は「目をつぶる」という使い方が一般的だったと言えます。
では、どのようにして「つむる」という読み方が使われるようになったのでしょうか。
音便(連音変化)で徐々に読み方が変わった
元々は「つぶる」と読まれていましたが、音便(連音変化)の影響だと考えられいます。
音便とは、日本語の発音が変化することで、一般的には2つの言葉が1つにまとめられた時に発音しやすいように、言葉の中にある音節の部分が規則的に変化することを意味します。
音便には、撥音便、促音便、イ音便、ウ音便の4種類があるとされており、「つむる」は撥音便に近いと考えられます。
撥音便は「飛びて」が「飛んで」、「噛みて」が「噛んで」といったように、元々は濁音だったものが、発音しやすく鼻音化するかたちです。
「瞑る」の読み方以外にも、日本語は近世にかけてこのように言葉の発音の変化が多くみられるようになったと言われています。
音便の4種類まとめ
- 撥音便:飛びて→飛んで
- 促音便:待ちて→待って
- イ音便:聞きて→聞いて
- ウ音便:高き→高い
つぶるとつむるの使い分け
現在は、「つむる」と「つぶる」のどちらも使用されていますが、一般的には前述のように、目を閉じる行為は「つむる」、ある行為や場面について見て見ぬ振りをすることを表現する時は「つぶる」と使い分けることが多いです。
目を瞑るの類語
目を瞑るの類語をまとめました。「つむる」と「つぶる」に分けて紹介しています。
目を瞑る(つむる)の類語
- 瞼(まぶた)を閉じる
- まなこを閉じる
- 瞑する
- 目を覆う
- 目をふさぐ
- 目隠しする
- 瞑目する
目を瞑る(つぶる)の類語
- 見逃す
- 黙殺する
- 無視する
- 堪忍する
- 隠忍する
- 許す
- 目こぼしする
- 見て見ぬ振りをする
- 看過する
目を瞑るの例文
- ちょっとサプライズがあるから、目を瞑って待ってて
- 目を瞑るとあの時の松島の情景が浮かんでくる
- その失敗に目を瞑るのも今回が最後です、気をつけてください
まとめ
今回は、「目をつぶる」と「目をつむる」の違いと意味や類語、例文を徹底解説しました。
目を瞑るには「つむる」と「つぶる」の読み方があり、目を閉じる行為を示す場合は「つむる」または「つぶる」、そしてある行為や場面を見て見ぬふりする場合は「つぶる」とを使うということでした。
使い分けのポイントとしては、「つむる」は行為、「つぶる」は、自分が悪いことをした時に使うと覚えておくと良いでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。