この記事では、祇園祭の最も大切とされている行事「山鉾巡行」の目玉である辻回しについて紹介します。
京都の夏の風物詩「祇園祭」の目玉である山鉾巡行。その中でも最も目立つと言っても過言ではない辻回しについてわかりやすくお伝えします。
祇園祭の辻回し
辻回しは、毎年7月17日に行われる山鉾巡行(前祭)の時に見ることができます。
大きな大きな山鉾の進む先を変えるために90度の方向転換のことを指します。
大きな車輪に青竹(ささら)をかませて、水で滑りを良くしたあと、「ヨイヨイ ヨイトセ ヨイトセー!!」の音頭に合わせて、勢いよく引綱を引っ張ります。
きれいに方向転換できたときは、観覧客から大きな拍手が送られます。
祇園祭の辻回しを行う山鉾一覧
全ての山鉾が辻回しを行うわけではありません。山鉾には5つの種類があり、その中でも「鉾(ほこ)」「曳山(ひきやま)」「船鉾」である以下の山鉾が辻回しを行います。
- 長刀鉾
- 函谷鉾
- 鶏鉾
- 菊水鉾
- 月鉾
- 放下鉾
- 岩戸山
- 船鉾
祇園祭の辻回しが行われる場所はどこ?
辻回しが行われる場所は以下の3箇所になります。
- 四条河原町交差点
- 河原町御池交差点
- 新町御池交差点
どこで辻回しを見るのがおすすめ?
個人的には、新町御池交差点がおすすめです。
実は、山鉾巡行(前祭)は新町御池交差点の手前の新町御池付近で長刀鉾に乗った稚児が剛力に担がれて降りると解散となります。
ですので、解散後に辻回しが行われることを知らない人が多いのではないかと思っています。(筆者は新町御池交差点以外で辻回しを見たことがないのでなんともいえないのが本音。)
他のところはわかりませんが、新町御池交差点は、かなり近くで辻回しを見ることができます。
引綱を引く引手の息遣いや、真剣な表情は見ているこちらも緊張が伝わります。
2019年祇園祭の辻回しの現地写真を紹介
こちらで紹介する祇園祭辻回しの写真と動画は全て、わたしが撮影したものとなります。
近すぎたり圧倒されたりで上手く撮影できていないかもしれませんが、臨場感は伝わると思います!
長刀鉾を例に紹介します。もし、こちらの記事が多くの方に読まれることがあれば、さらに写真や動画を追加しようと思います。
稚児が降りた後に山鉾町に戻るために、新町御池交差点まで鉾を移動させます。大勢の男性がお揃いのはっぴを着て、引縄を引っ張ります。
辻回しに使用する青竹と水が入った桶。
鉾自体はとても大きくて大切なもの。辻回しを失敗させないために皆さん真剣に準備されます(めちゃめちゃ怒られている方もいて、、、聞いていると背筋がのびました)。
距離をしっかりと見定めて、隙間なく青竹を並べていきます。
ぴったりと青竹が並べられて、車輪留めも用意されました。大きいですね。
そういえば、皆さん頭の鉢巻きに、茅の輪(ちがや)を差し込んでいました。
茅の輪くぐりの由来にあるように、腰につけなくても、頭に巻いて護符の一種のような役割があるのでしょうか。
茅の輪(ちがや)と「蘇民将来之子孫也」の文字。
祇園祭でいただくことができる粽(ちまき)にも同じ言葉が書いていますね。
青竹の上に車輪を乗せて、音頭に合わせて方向を変えます。
縦の動画になりますが、辻回し前の微調整がわかると思います。
大きな車輪と「長」と書かれたのれん?飾りが素敵です。
こちらの動画は、辻回しの後ろの様子もわかります。
前側で車輪を動かしているだけでなく、方向を変える時に後方でも車輪を動かすために動かれています。
こんな感じで、新町御池交差点では臨場感たっぷりで辻回しを楽しめるのです。
祇園祭辻回しの注意
祇園祭辻回しは真夏の炎天下に行われます。
引手さんも疲れてしまいますよね。
辻回しの観覧場所には影がありません。日傘を指すと周りに迷惑がかかることもあります(見えなくなるから)。
ですので、日焼け対策のために帽子や手袋、そして一番大切な水分補給もしっかりと考えて用意しましょう。