仙台市青葉区賣茶翁(ばいさおう)という老舗和菓子屋

グルメ

今回は、京都の話題ではないですが京都が産んだ伊藤若冲を取り上げたNHK特別ドラマ「ライジング若冲」関連の記事として、仙台市青葉区にある「御菓子司 賣茶翁」という老舗和菓子屋を紹介します。

「売茶翁(ばいさおう)」は煎茶道の中興の祖として、煎茶道を嗜む人々にとっては、誰もが知っている人物ですが、「御菓子司 賣茶翁」は仙台の茶人の間では、とても有名なお茶菓子のお店です。

御菓子司 賣茶翁(ばいさおう)@仙台市

「御菓子司 賣茶翁(ばいさおう)」は、仙台市青葉区「仙台市民会館」の正面にあります。大きなビルが立ち並ぶ街中にありますが、その空間だけまるで時間が止まっているような、静かで安らかな雰囲気を感じられます。

ふらっと立ち寄れそうで、立ち寄るとピリっと背筋を正したくなるような気持ちにもなりますよ。

こちらのお店をインターネット上で調べると、「電話番号が非公開な事で有名」と数々のブログや店舗情報を見かけますが、現在は電話番号をGoogle mapで確認することができます。

ただし、和菓子の予約を受け付けているかは、このようなご時世なので不明です。「直接お店に出向いて、お菓子を買っていただく」という昔ながらの商いを長く続けているお店なので、直接訪れ、その時その時のお菓子選びを楽しむのが私のスタイルです♪

お店の詳細情報

◆住所:宮城県仙台市青葉区春日町3-1
◆営業時間:午前9時30分〜午後6時
◆定休日:毎週月曜日
◆お問い合わせ(電話番号):022-214-2262
◆アクセス:地下鉄「勾当台公園」駅から徒歩15分

◆備考:喫茶室の営業時間は午前10時〜午後4時30分まで


賣茶翁がSNS(instagram)運営をスタート!!

2021年1月からひっそりとinstagramでの投稿をスタートされました。

投稿内容は、賣茶翁で販売されている和菓子の数々。見ていると食べたくなってしまいます。

御菓子司 賣茶翁のinstagramアカウントはこちら

2021年5月8日仙台放送「サタデーウォッチン!」で紹介されました!!

宮城県内の週末に役立つ情報を発信している「サタデーウォッチン!」で、仙台を代表する和菓子屋さんとして紹介されていました!

番組で取り上げられていたどら焼きの餡は小豆が美味しく、けっこう柔らかめの粒あんとなります。小豆の皮の食感がほど良く、餡の柔らかさと豆の硬さのバランスが絶妙。

見ていて食べたくなりました!

サタデーウォッチン!のtwitterスタッフアカウントでもツイートされていました。

「賣茶翁」という店名の由来

「御菓子司 賣茶翁(ばいさおう)」の創業は1947年(昭和22年)と言われていますが、それは現在地にお店が移転した年で、お店自体は明治時代から存在していたといわれています。

元々は「甘泉堂」という屋号で、旧東北電力ビルの裏手にありましたが、仙台空襲により現在の場所に移転しました。

店名の「賣茶翁(ばいさおう)」は、江戸時代に活躍した煎茶道の中興の祖である茶人であり、黄檗宗のお坊さんでもあった売茶翁高遊外にちなみます。初代店主が売茶翁に夢中になっていたことから名付けられました。
初代店主は、実際に禅の修行を経験し、売茶翁と同じように無料で道行く人々にお茶を振る舞ったり、それはもう心酔されていました。

その当時の様子を感じさせる品物がお店の入り口にあります。

この船の錨(いかり)のような形は「雲板(うんぱん)」と呼ばれる鳴り物で、食事の合図や座禅の終わりを告げるのに用いられています。

初代店主も禅の修行を行う時にこの雲板を鳴らしていたのでしょうか。想像が膨らみますね。

初代店主の人物像

初代店主の渡邊僊爺さんは売茶翁に感銘を受け、前述で紹介しましたが、禅の修行を行い、お茶を振る舞い「売茶翁」の行動を実践する和菓子職人でした。

渡邊僊爺さんについては、お菓子に同封されているしおり「菓子造りつれづればなし」に書かれています。

菓子造りつれづればなし

おもしろの月雪花うるはしの囲炉裏の集いに菓子ありて、その風情も興も一としほ深かるべけれさるにても、おのれよくぞ菓子造りに生れけるよ。

ただその造りたるを價ひにかわるものから、あきうどとのみ思はれんも詮方なけれど、ありやうはひとすじに菓子を作る職方にてあり。

大方のめでらるるものを造りいでむを、つとめとも楽しみとも亦甲斐ありとも思ふにぞあり。

されは、味にくわしき方々がみづから造り給はむ御手がわりと心得かざりをすて去り、ひたすらに風味第一と念じ、商売繁昌の才覚はさておきて、日々わざをはげみ良きが上にもいよいよよかれと精進致し、方々がことしげきおつとめの合の間、ホト一息のやすらひになくてかなはむ ちゃのみぐさにてありなむのねがひ、これぞ吾が家に傳へし「職人道」とて、此の夢ゆめ踏みはづれまじと思ひしむるになむ云わずもがなの内証ごとおぞましくもことあげして、世の笑ひ草にならむかと。

菓子喫茶処 賣茶翁

   菓子造り 初代 渡邊僊爺

脚注:賣茶翁のしおりから

和菓子造りの職人として生まれた自負と決意について書かれています。「職人道」と一つの形を極め、道とするその心を思い、お菓子をいただくと、また一段と味わい深く感じますね。

余談ですが、賣茶翁のお菓子の外箱に使用されている包装紙は、「柳生和紙」です。

地元のものを使っている所で、地元愛を感じますね。

京都でも、京都市上京区の「塩芳軒(しおよしけん)」では、京鹿の子和紙が使用されています。

賣茶翁の代表銘菓「みち乃くせんべい」

賣茶翁といえば「みち乃くせんべい(みちのくせんべい)」と言われるほど、代表的なお菓子。一枚ずつ丁寧に手作業で、和紙で包まれています。

みちのくせんべいが包まれているパッケージの中には、先ほど紹介した仙台のしおりとカエルが描かれたカードが入っています。カードには「手をついて 言上顔の 蛙 かな」と記されています。こちらは初代店主のつれづれ話のご挨拶ですね。

みちのくせんべい(麩焼きせんべい)は千利休も愛したと言われる茶人好みのお干菓子で、茶道との相性が良いです。見た目に派手さはなく、とてもシンプルなお菓子。

今でも、茶道のお茶席で用いられることが多く、仙台の茶人(お茶好き)の間では大変人気があり、友人を招く時に良く用意されるお菓子だとか。

仙台市で茶席のお菓子といえば、地元民が口を揃えて売茶翁というくらい名が通った名店の代表菓子「みちのくせんべい」は一度は食べていただきたい逸品です。

せんべいと言われていますが、パリッとした硬いものではなく、最中(もなか)の皮のような薄くてフワッとしたカタチ。

繊細な麩焼きのおせんべいの表面は沖縄県波照間産の黒砂糖でコーティングされており、北陸に雪が積もったように見えませんか?綺麗に装飾された紋様にも見えそうな、食べる前に想像力をかき立てられます。

せんべいを一口かじると、香ばしさとお砂糖の優しい甘味が口の中に広がり、フワッとなくなります。煎茶に合うのはもちろんですが、玉露と一緒に楽しむと美味しくいただけます。

個数限定の人気どら焼

「みち乃くせんべい」と同じくらいの人気があるどら焼きも賣茶翁の看板商品の一つ。数量限定で販売されており、1日65個だけになります。

さらっとした粒餡が程よく包まれており、こしの部分と粒の部分のバランスが良く口の中で、上手く混じり合います。餡を包んでいる皮はしっかりとしており、中の餡は柔らかめ。しっとりとしていて淡く、溶けていくような味わいを楽しめます。

お上品な味でこちらも煎茶との相性が良いです。

夏限定の宇治抹茶のかき氷「雪茶」

夏限定で提供される宇治のお抹茶が使われているかき氷は、氷が全て溶けても濃い〜お抹茶を楽しめます。

粗めに削られた氷とお抹茶の苦味と少しの甘味は大人のかき氷。

夏の熱気が冷める一品です。名前も雪茶と涼しげ。

賣茶翁の意志を継ぐ【とびばいさ甘座(あまんざ)】

御菓子司 賣茶翁のすぐ近くにあるケーキ屋さん「とびばいさ甘座」は、賣茶翁の店主の息子(三男)が東京は六本木のクローバー等で修行された後、1968年(昭和43年)にはじめられたお店で、現在は賣茶翁の御兄弟が経営されています。

店名の「とびばいさ」とは、売茶翁の飛び地という意味で名付けられたそうです。

ずっしりとクリームが入ったエクレアは食べ応え充分!ガブっと食べたくなりますね。

とびばいさ甘座(あまんざ)の詳細情報

◆住所:仙台市青葉区立町26-15
◆営業時間:午前10時〜午後7時
◆定休日:無休
◆お問い合わせ(電話番号):022-263-7229
◆備考:-
◆公式SNS:インスタグラム