この記事では、京都府宇治市にあるユネスコ世界遺産に登録されている宇治上神社の駐車場情報や見どころ、拝観料についてなどまとめています。宇治茶で全国的に有名な宇治市には、10円玉に描かれている平等院鳳凰堂など観光スポットがいくつもあるので人気の観光地。ぜひ、宇治に訪れる際は宇治上神社も訪れていただきたい場所となります。
宇治上神社の概要
宇治上神社は京都府宇治市宇治山田にある神社です。神託を受けた醍醐天皇が901年(延喜元年)に建てたと言われていましたが不明でした。
いつ建てられてものなのか、長い間不明の状態でしたが、近年行われた年輪年代測定法により建材を調査したところ、建物である本殿は同じく宇治にある平等院とほぼ同じ時期の1060年(康平3年)ごろ、そして拝殿は1215年(健保3年)に建てられたとわかりました。
平等院鳳凰堂が1053年に建てられた後、宇治上神社は鳳凰堂の鎮守社として庶民から貴族まで幅広い人々に宇治の土地の守護神として信仰されていたと伝えられています。
また、宇治上神社の直ぐ近くに宇治神社があり、以前は2つの神社を合わせて宇治離宮明神と称され、宇治神社は離宮下社、宇治上神社は離宮上社と呼ばれていましたが、1886年(明治19年)に独立して宇治上神社となりました。
宇治上神社がある場所は、かつて応神天皇の子ども菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)の居住があったとされているからです。菟道稚郎子は宇治上神社の主神として祀られています。1994年にユネスコ世界遺産に登録されました。
宇治上神社の見どころ
宇治上神社の見どころの中で特に紹介したいものをまとめました。
本殿
宇治上神社の本殿は一間社流造(いっけんしゃながれづくり)。左殿、中殿、右殿の内殿三棟を横長の覆屋で覆った形式です。内殿は平安時代後期に、そして、鎌倉時代にそれを覆う全体の建物が整えられたと言われています。建物の外観だけでは本殿に見えませんが、中を覗けば横一列に並ぶ内殿三社を目にすることができます。
内殿には宇治上神社の祭神である菟道稚郎子(左殿)、応神天皇(中殿)、仁徳天皇(右殿)が祀られています。一間社とは日本の神社建築様式の一つであり、小規模な神社本殿に見られる形式、流造は屋根の前部分が長く伸びて沿っており、神様に挨拶をする向拝を覆っている建築形式です。
流造は奈良時代から平安時代に成立して全国に広まったもので、宇治上神社の本殿の形式は平安時代中期のもので、現存する神社建築として日本最古の遺構と世間的に知られています。国宝指定されています。
拝殿
本殿と同様に国宝指定されている拝殿は、鎌倉時代に建てられたもので現存する神社の拝殿として最古の建築物で、貴族や武士の住居に用いられていた寝殿造という建築様式。寝殿造は日本を代表する住居建築様式で神様を祀る拝殿に用いられているのはとても珍しいです。
拝殿は高床式で天井が通常の神社建築より低めで3つの部屋に分かれています。戸には雨風を防ぎ、プライバシーを確保する蔀戸(しとみど)や建具の一種で古来から受け継がれている板戸の舞良戸(まいらど)など、寝殿造の住居建築に使われるものが用いられています。
これはかつて菟道稚郎子が住まっていた宇治離宮の建物を移築したためであるためという説がある。宇治上神社の境内には、他にも春日神社本殿などの摂社が残っている。これは宇治上神社本殿と同じ一間社流造の神社建築であり、鎌倉後期に建造された貴重な社として重要文化財に指定されている。
欅(けやき)の木
拝殿の向かって右には、高くて太い欅(けやき)の木が植えられています。欅は宇治市の名木百選に選定されています。ところどころ苔むしている樹齢330年以上の巨木にはしめ縄が巻かれています。この欅の木は宇治上神社の御神木です。
桐原水(きりはらみず)
かつて宇治には、後嵯峨天皇が宇治を訪れたことがきっかけで、茶畑が開拓され、足利義満の加護の元で宇治茶が発展しました。その時に成立した宇治七名園(森、祝、宇文字、川下、奥ノ山、朝日、琵琶)。
戦国時代にお茶は戦国大名のたしなみとされ、織田信長、豊臣秀吉といった有名人も茶摘み屋製茶を見学したとされています。特に秀吉は千利休と共に宇治茶に関心が強く、宇治郷以外の人が宇治茶と称してお茶を販売することを禁止しました。
このような背景から、やがてお茶を入れる水にも関心が注がれ、宇治七名水(桐原水、泉殿、阿弥陀水、法華水、高浄水、公文水、百夜月井)が誕生しました。現在、6カ所はすでになくなってしまい(阿弥陀水と法華水は推定値に井戸が掘られて復元されています)、現存する唯一の湧き水が宇治上神社の桐原水です。
拝殿の向かって左側の祠のような建物の中で桐原水を汲むことができます。
宇治上神社の御利益
- 学問の神様
- 勝負運
- 病気平癒
- 縁切り
- 縁結び
写真撮影の注意事項
写真撮影の注意事項はとくにありません。
宇治上神社の混雑具合について
宇治市の観光エリアから少し離れた場所にあるので、そこまで混雑する日はないように感じます。
アクセス情報
宇治上神社の駐車場について
宇治上神社には参拝者専用駐車場は、宇治上神社の大きな鳥居をそのまま直進して、宇治上神社の左手にあります。
宇治上神社に滞在の間のみ無料で駐車することができますが、宇治上神社に参拝前・参拝後に近くの宇治神社やミュージアムを訪れる場合は駐車することができませんので、ご注意ください。宇治上神社に滞在している間だけです。
宇治上神社の基本情報
- 名前:宇治上神社(うじがみじんじゃ)
- 住所:京都府宇治市宇治山田59
- 電話番号:0774-21-4634
- 拝観料:無料
- 所要時間:15分
- 創建:不詳
- 主祭神:菟道稚郎子命、応神天皇、仁徳天皇