清水寺境内の見どころについてまとめました。
清水寺は、京都を代表する古刹のひとつで、日本を代表する観光スポットのひとつでもあります。江戸幕府3代将軍・徳川家光の寄進によって再建された本堂は、清水寺最大の見どころであり、国宝に指定されています。また、清水の舞台は、紅葉や新緑など季節ごとに美しい景色が楽しめる人気スポットです。美しい三重塔も必見であり、重文に指定されています。また、音羽の滝は、清水寺を訪れる人々に人気のスポットであり、清涼感溢れる場所として親しまれています。
清水寺を訪れる際に楽しむご参考になさってください。
清水寺の見どころ
清水寺は本堂や仁王門、清水の舞台以外にも見どころがたくさんあります。
わたしが知る限りの見どころをお伝えしますね。
また、清水寺の境内にある縁結びのパワースポットとして人気の地主神社も同じく清水寺と同じくらい人気の観光地で縁結びが有名な神社です。
良縁を結びたい方はぜひ訪れてみてください。
仁王門
清水寺の玄関口として迎える仁王門は、鎌倉時代に造られた金剛力士像を祀っています。重要文化財に指定されており、門には藤原行成筆の「清水寺」という扁額が掲げられています。また、右側の腰貫を叩くと反対側に音が響くことから、清水寺の七不思議のひとつとされています。仁王門は応仁の乱で焼失したが、室町時代後期に再建されました。三間一戸の楼門で、屋根は入母屋造の檜皮葺です。幅は約10メートル、奥行きは約5メートル、棟高は約14メートルです。また、仁王門の西側からは京都市街地の美しい景色を眺めることができます。
清水の舞台が造営する際に建てられた仁王門の別名は「目隠しの門」。当時、京都御所には天皇が住んでおり、舞台から御所を見下ろすことができないように仁王門が建てられたからです。
本堂・清水の舞台
清水寺の最も魅力的な見どころは、本堂と清水の舞台です。世界遺産でもある清水寺のハイライトであり、長年にわたり観光客を魅了し続けています。清水の舞台は、古くから「清水の舞台から飛び降りる」として知られ、美しい景色を一望できます。その景色には、音羽の滝の美しさも加わっています。
本堂には、内々陣、内陣、外陣、清水の舞台の4つのエリアがあります。内々陣には、清水寺の秘仏である十一面千手観音立像が安置されています。他にも、地蔵菩薩立像、毘沙門天立像などがあります。清水の舞台は、元々は本尊に芸能を奉納する場所でしたが、現在は観光名所となっています。
本堂は、徳川家光の寄進によって1633年に再建されました。しかし、その歴史は奈良時代にさかのぼります。本堂は、寝殿造の趣を伝える平安時代の建築様式が取り入れられています。清水の舞台は、建設年代が明確に分かっていないものの、12世紀の書物に初めて記されました。
本堂は、寄棟造の檜皮葺の屋根を持ち、棟高約18メートルで、正面約36メートル、側面約30メートルです。清水の舞台は、高さ約13メートルで、正面約18メートル、側面約10メートル、面積約190平方メートルです。清水の舞台は、139本のケヤキの木を釘を1本も使わずに組み上げたという、技術的な傑作です。
本堂と清水の舞台は、崖の斜面にせり出すように建てられており、観音菩薩が八角の形状をしていることから、仏典「観音経」に基づいていると言われています。
本堂には十一面千手観音、地蔵菩薩、毘沙門天、二十八部衆像、風神像、雷神像などが安置されています。
清水の舞台は日本の代表的な風景の一つであり、多くの人々が訪れる観光スポットとして知られています。清水の舞台は、本堂の裏手に位置し、高さ約13メートル、面積約190平方メートルの舞台で、地獄止めと呼ばれる組み方で139本の欅の柱が使われています。柱の高さは最長で約12メートル、周囲は約2メートルです。地震や台風、自然災害にも強く、現在の舞台は約400年前に再建されたものです。
また、清水の舞台からは、美しい絶景を眺めることができます。特に、春には桜が咲き誇り、秋には紅葉が美しく色づきます。このような季節には、ライトアップも行われ、幻想的で神秘的な景色を見ることができます。そのため、多くの人々が訪れ、清水の舞台は有名なインスタ映えスポットとしても知られています。
西門
清水寺で注目すべき存在の一つが、石段上に建つ西門です。ここからは素晴らしい夕景や京都市街地の眺めが楽しめます。また、春や秋には青龍会が開催され、転法衆や会奉行、夜叉神、四天王、十六善神、そして龍衆が石段に並びます。
西門は高さ約4メートルの門で、夕日を眺める聖所として知られています。日想観と呼ばれる極楽浄土を観想する場所でもあります。西門は1631年に再建されたため、400年近い歴史があります。
西門は八脚門で、三間一戸の形をしています。屋根は切妻造で、檜皮葺きです。正面に向拝があり、背面には軒唐破風が設けられています。西門は重要文化財に指定されています。
西門の間からは、夕日が沈む京都市内を眺めることができます。
西の遠くには阿弥陀如来がおられる西方極楽浄土があるとされており、その極楽浄土に生まれ変わることが極楽往生といわれています。
こちらから夕陽が沈む様子を拝み、極楽浄土を心の中に思い浮かべる日想観(にっそうかん)という修行があり、西門はその修行の場とされていました。
鐘楼・梵鐘
清水寺の鐘楼は、2008年に鋳造された梵鐘を釣っています。珍しい六脚の柱で構成されており、梵鐘を支えるためとされています。蟇股には菊花の彫刻などが施され、見応えがあります。旧梵鐘は1478年に鋳造されたもので、高さ約2.1メートル・口径約1.2メートル・重さ約2.3トンという大きさで、現在は宝蔵殿に収蔵されています。また、鐘楼は1607年に再建されたもので、切妻造の本瓦葺で、桁行一間・梁間二間の構造になっています。鐘楼には、七不思議のひとつに数えられている六脚の柱や、重い梵鐘を釣るために設計された構造が特徴的です。
国の重要文化財として登録されている鐘楼は桃山様式の鮮やかなものです。
随求堂(ずいぐどう)・胎内めぐり
随求堂は、大徳寺塔頭・慈心院の本堂で、胎内めぐりができることで知られています。大随求菩薩の胎内を模した空間をめぐりながら、大随求菩薩を象徴する梵字が刻まれた随求石を廻して願い事をすると、願いが叶うとされています。随求堂は千鳥破風に施された龍の鏝絵が傑作であると言われており、美術ファンからも注目されています。
随求堂は、1718年(享保3年)に再建され、秘仏である大随求菩薩をはじめ、吉祥天立像、毘沙門天立像などが安置されています。大随求菩薩は、願いが叶う大功徳があるとされ、多くの参拝者が訪れます。
弁慶の鉄の錫杖・鉄下駄
出世大黒天
清水寺は、京都市東山区にある有名な寺院です。中でも、「舞台」の近くに鎮座している「出世大黒天」さんは、おすすめの観光スポットの一つです。出世大黒天さんはつるつるつやつやで、触らせていただくとご利益があるような気がしてきます。また、その脇で、ウレタンフォームでできた出世大黒天さんのお守りが売られています。つやあり、つやけしの二種類があり、おのおの着色の加減が違うように見えるので、自分の好みの大黒天さんを探すことができます。
清水寺では、春と秋にライトアップが行われます。この期間には、特別拝観も可能で、レアな秘宝に出会えることもあります。ただし、植物などがずっと照らされているとかわいそうな気がするため、たまに見る程度にとどめるのが良いでしょう。
音羽の滝
清水寺の必見のスポットとして、音羽の滝があります。古くからの観光名所であり、清水寺の中でもハイライトの一つであり、パワースポットでもあります。音羽の滝は清水の舞台と共に美しく、水の流れる音が音楽のように美しいとされ、落差13メートルの滝としても有名です。
音羽の滝には、祠に不動明王を祀っています。3本の筧から水が流れ落ち、それぞれに学問成就、恋愛成就、延命長寿のご利益があるとされています。訪れた人は、3本の筧の内の1本を選び、一口だけ水を飲むことで、そのご利益を得ることができると言われています。
音羽の滝は、清水寺の寺号の由来にもなっており、また清水寺の七不思議にも数えられています。音羽の滝は、778年に行叡居士が修行をしていた時に、延鎮上人と出会った場所でもあります。また、足元には滝行の足場となる石が置かれており、古くから修験道の修行場としても利用されてきました。
音羽の滝は、音羽山の山中から湧き出ており、一度も涸れたことがないと言われています。水温は11~12度で、軟水であるという特徴があります。また、かつては「黄金水」とも呼ばれ、また「延命水」とも言われたこともあります。音羽の滝で流れる水は、澄んでいてきれいな水であるため、多くの観光客が訪れています。
奥の院
清水寺で見逃せないのが奥の院です。奥の院は、音羽の滝の上に建っており、本堂と同じく、舞台があります。奥の院からは、美しい本堂・清水の舞台を眺めることができ、インスタ映えスポットにもなっています。特に桜・紅葉シーズンには、桜・紅葉に彩られた絶景を眺めることができます。また、ライトアップされた桜・紅葉の景色は、幻想的・神秘的な情景を演出し、見応えがあります。
奥の院には、本尊(秘仏)・千手観音坐像(重要文化財)や毘沙門天・地蔵菩薩・眷属である二十八部衆・風神・雷神などが安置されています。また、真言宗の宗祖である弘法大師・空海坐像も奥の院には安置されています。かつて奥の院は法相宗に加え、真言宗兼学だったことから真言庵とも言われていました。
奥の院は1633年(寛永10年)に再建されましたが、その歴史は400年近くに及びます。また、奥の院は行叡居士・延鎮上人の草庵跡とも言われており、歴史を感じさせる場所となっています。
奥の院は屋根が寄棟造の檜皮葺で、正面・奥行が桁行五間・梁間五間となっています。また、舞台は清水の舞台と同じく、懸造・舞台造です。
千手観音坐像は、像高約63.9センチで、正面・右側・左側の3つの顔を持ち、頭上にも24の小面がある特異な像容をしています。奥の院には、その他にも多くの見どころがありますが、千手観音坐像は奥の院の最大の見どころであり、多くの参拝者を魅了しています。
千体石仏群(せんたいせきぶつぐん)
千体石仏群は、かつて京都市内にあった石仏の一部が廃仏毀釈の際に捨てられるのを避けるため、持ち込まれたものです。千体石仏群は、千体もの石仏が集められたもので、それぞれ表情や衣装が異なります。明治維新後に有志が前垂れの掛け替えを行い、現在でも多くの人々に親しまれています。千体石仏群は、歴史的・文化的な価値が高く、また神秘的な雰囲気を持つため、多くの観光客が訪れます。
子安塔
清水寺を代表する三重塔のひとつ、子安塔は子授けの祈願や安産を祈る人々にとって、有難い存在です。子安塔の本尊・子安観音(千手観音)は安産のご利益があり、参道が産寧坂(三年坂)と呼ばれるようになったとも言われています。子安塔は高さ約15メートルの美しい塔で、全体的に落ち着いた雰囲気が漂います。また、子安塔は三間三重塔婆で、屋根が檜皮葺です。
子安塔は寛永年間(1624年〜1643年)頃に再建されたと言われ、全面解体された際には「明応九年(1500年)五月四日」と記された小さな木組みの部材が発見されました。子安塔はかつて仁王門の左手前に建立されていたが、1911年(明治44年)に現在の場所に移されました。子安塔には、奈良時代に第45代・聖武天皇と光明皇后の祈願所だったという伝承もあります。光明皇后は第46代・孝謙天皇、第48代・称徳天皇となる阿倍内親王を安産したとされています。