この記事では、祇園祭の最大の見どころである「山鉾巡行」について詳しく紹介しています。
山鉾巡行とは、毎年7月に京都で行われる祇園祭で一番持ち上がる行事です。
「祇園祭」といえば「山鉾巡行」を指していることが多く、テレビやメディア、SNSで毎年7月は頻繁に取り上げられます。
今回は、山鉾巡行について、巡行ルートや見やすいスポットなど見にいくのに役立つ情報をわかりやすくお伝えします。
また、雨が降った際に山鉾巡行が行われるかどうかについても解説していますので、山鉾巡行を見に行こうと考えている方は最後までお読みください。
山鉾巡行とは
山鉾巡行とは祇園祭で1番の見どころとされています。
元々は災いをもたらすとされていた疫神を鎮める(しずめる)ために、街中を練り歩いたことが始まりとされています。
昔はどの山鉾が先頭を進むのか争いが起こることがあり、現在では毎年7月2日に「くじ取り式」が行われて巡行の順番を決めています。
2022年の山鉾巡行の順番@前祭(7月17日)
- (くじ取らず):長刀鉾(なぎなたぼこ)
- (山1番):孟宗山(もうそうやま)
- (山2番):保昌山(ほうしょうやま)
- (山3番):郭巨山(かっきょやま)
- (くじ取らず):函谷鉾(かんこぼこ)
- (山4番):白楽天山(はくらくてんやま)
- (傘1番):四条傘鉾(しじょうかさぼこ)
- (山5番):油天神山(あぶらてんじんやま)
- (鉾1番):月鉾(つきぼこ)
- (山6番):蟷螂山(とうろうやま)
- (山7番):山伏山(やまぶしやま)
- (山8番):霰天神山(あられてんじんやま)
- (鉾2番):鶏鉾(にわとりぼこ)
- (山9番):木賊山(とくさやま)
- (傘2番):綾傘鉾(あやがさぼこ)
- (山10番):占出山(うらでやま)
- (鉾3番):菊水鉾(きくすいぼこ)
- (山11番):芦刈山(あしかりやま)
- (山12番):伯牙山(はくがやま)
- (山13番):太子山(たいしやま)
- (くじ取らず):放下鉾(ほうかぼこ)
- (くじ取らず):岩戸山(いわとやま)
- (くじ取らず):船鉾(ふねぼこ)
2022年の山鉾巡行の順番@前祭(7月24日)
- (くじ取らず):橋弁慶山(はしべんけいやま)
- (くじ取らず):北観音山(きたかんのんやま)
- (山1番):浄妙山(じょうみょうやま)
- (山2番):鯉山(こいやま)
- (山3番):鈴鹿山(すずかやま)
- (くじ取らず):南観音山(みなみかんのんやま)
- (山4番):浄妙山(じょうみょうやま)
- (山5番):役行者山(えんのぎょうじゃやま)
- (山6番):黒主山(くろぬしやま)
- (山7番):八幡山(はちまんやま)
- (くじ取らず)鷹山(たかやま)
- (くじ取らず)大船鉾(おおふなぼこ)
山鉾巡行は2度行われる
2014年より山鉾巡行は7月17日に行われる「前祭(さきまつり)」と7月24日に行われる「後祭(あとまつり)」に分かれています。前祭では、23基の山鉾が巡行、そして後祭では10基の山鉾の巡行が行われます。
前祭山鉾巡行は何時から始まる?ルートはどこ?
山鉾巡行のルートと何時から始まるのか詳しくお伝えします。
四条通(四条烏丸交差点)@9:00〜
前祭山鉾巡行は午前9時より始まります。山鉾巡行が始まる前に巡行の順番を確認する「くじ改め」が行われます。
巡行ルートのスタート地点は、四条烏丸で、長刀鉾を先頭に四条通を東に進みます。
四条河原町交差点@9:40〜
河原町通まで来ると、山鉾を90度回転して方向転換する「辻回し」が行われます。この「辻回し」は相当の重量(長刀鉾が約7トン)の山鉾を数十人の男衆の人力で動かすのですがその光景は圧巻です。
河原町御池交差点@10:35〜
河原町通を北に進み、河原町御池交差点でまた「辻回し」を行い、90度方向転換して西へ進みます。
御池通には山鉾巡行を見るための有料の観覧席が設けられています。
新町御池交差点@11:25
9:00に四条烏丸からスタートした山鉾巡行は約2時間30分かけて新町御池交差点に到着します。
前祭山鉾巡行のルート
山鉾巡行は雨が降っても行われる?
結論から言いますと、山鉾巡行は雨天決行です。
山鉾巡行の1週間前から「鉾建て」と呼ばれる山鉾が建てられ始めます。
毎年、祇園祭の期間は雨が降ることがあるので、建てられる山鉾には雨を防ぐための透明なシートが掛けられています。
山鉾は豪華絢爛な見た目から「動く美術館」と言われており、歴史的にも重要な文化財なので、雨などで傷まないように対処されています。
京都祇園祭の山鉾巡行は「山鉾巡行に支障のない限り雨天決行」と覚えておきましょう。
2018年山鉾巡行は雨天決行
雨の日に山鉾巡行が行われる場合は、傘が目立ちますね♪
山鉾も上の写真のように濡れても問題ないようにシートが被さり巡行します。
後祭の「花傘巡行」は中止となる場合がある
山鉾巡行は雨天決行ですが、祇園祭の後祭に行われる「花傘巡行」については、天候により注意、または日時の変更となりますのでご注意ください。
実際に、2018年の花傘巡行は猛暑のため中止となりました。この時の中止は550年ぶりの出来事でメディアで大きく取り上げられました。
2022年7月17日祇園祭前祭山鉾巡行の日の天気は?
2022年7月17日の前祭山鉾巡行の日の天気は曇りとなります。
降水確率は低いですが、万が一に備えて、傘やカッパを持っていくと良いでしょう。また、晴れではないにしても、京都はかなり暑いので熱中症対策も忘れずに行うことをおすすめします。
山鉾巡行の見どころ
山鉾巡行の見どころをまとめましたのでぜひお読みください。
くじ改め
くじ改めとは、祇園祭の山鉾巡行の際に行われる儀式の一つで、市場境町に関所が設けられ、京都市長(奉行)による山鉾巡行の順番を確認するためのものです。
山鉾巡行の巡行順は、祇園祭の2日目である7月2日に京都市役所・本会議場にて行われる「くじ取り式」で決まりますが、その内容を巡行が始まる直前にも確認します。
しめ縄切り(注連縄切り)
しめ縄切りは、くじ改めが行われた後に行われる山鉾巡行の際に行われる儀式の一つで、山鉾巡行の当日に四条麹屋町の南北に四条通りを横切るように注練縄が張られます。
その注練縄を長刀鉾に乗る稚児により切り落とされるもので、この儀式が行われることで、神域への結界が解かれ、山鉾が災いを払いながら巡行を始めます。
辻回し
辻回しは大きな山鉾が交差点で方向転換する際に車輪の下に青竹を敷き、向きを変えるために行われる目玉の一つで、山鉾に関わる全員が息を合わせる場面は迫力満点です。
荷茶屋(にないちゃや)
荷茶屋とは、山鉾巡行の際に山鉾巡行に携わる方の休憩の際に飲み物を振る舞う役割を担うもので、お茶の道具をかついでいる方々の姿も山鉾巡行の際に見ることができます。
山鉾巡行を観覧する際の注意ポイント
山鉾巡行を観覧する際の注意ポイントをまとめました。山鉾巡行を観に行かれる方はご参考になさってください。
山鉾が時間通りにルートを進行しない可能性がある
山鉾巡行のルートと時間帯については前述でお伝えしていますが、時間通りに巡行が行われない可能性もあります。
その原因はいくつかありますが、上げるとするなら山鉾巡行の際の進行方向の変更「辻回し」が上手く決まらない。
「辻回し」とは、鉾の進行方向を変更するため人力で方向転換するものです。鉾の引き手と合図を出される方全員の息が合わないと成功することがないため、失敗することもあります。
また、山鉾巡行のルートである御池通から四条通に戻る新橋通は細い通りとなり、鉾を動かす際に最新の注意が必要となり、進行スピードが遅くなることがあります。
時間通りに山鉾巡行が行われないとなると、長時間沿道で待つ場合があります。そうなると、日射病など体調が悪くなるおそれもあります。
場所取りは巡行の何分も前から行う必要があるかも
今回、私は2019年の山鉾巡行を撮影した場所「御池新橋」の交差点で観覧する予定で、午前10時50分ごろに四条通から新橋通を北上しました。
しかし、沿道にはすでに多くの観覧車が待機しており、途中で「御池新橋」での観覧は断念しました。
待機時間中に疲れて体調を崩すかも
その結果、「四条新橋」の交差点で観覧することにしたので11時10分あたりから沿道に待機していたのですが、山鉾巡行の先頭が交差点に到着したのが12時45分ごろでした。
待機時間としては90分以上となり山鉾巡行を直接見始めた頃には体力的にもしんどくなっていたので、結局40分ほど見て帰りました。
マナーがない観覧者に絡まれると気分が悪くなる
これは山鉾巡行に限ったことではありませんが、警察の注意をまともに聞き入れることができない人、自分が写真撮影できれば満足な人などマナーがない人が多く現れることがあるので注意が必要です。
通りに人が溢れて歩くことができない(子供は危ない)
山鉾巡行のルートの沿道には人が溢れます。場所によっては通行止めされているところもあります。巡行日に京都市内を移動する際は、前述しているルートを外れて移動することをおすすめします。
もし、混雑に巻き込まれるとイライラとしている人々が多く、ガッと身体を入れて無理やり人混みをこじ開け移動する人も中にはいるので子供など背が低い方は危険です。
もし、子供と一緒に山鉾巡行を見に行く場合は、「辻回し」が行われるような人が密集する場所は避けるようにしてください。
今回、私が山鉾巡行を観覧した場所は自宅から100メートルほどの場所でしたが、家に帰るまで、渋滞に巻き込まれ30分ほどかかりました。
こんな人の近くで山鉾巡行の観覧は気をつけてください!
これまで山鉾巡行を観覧した時に体験したことから観覧者の中で気を付けた方が良い人の特徴をまとめたので、もし観覧場所の近くにいれば注意してください。
ボディタッチを平気でする人
今回、私が山鉾巡行を観覧している時に実際にあったことなのですが、たまたま通りを移動して撮影している人の前で立ち止まってしまうことがありました。(一部自分が映り込んでしまったかもしれませんが、全体を隠すようなことはありませんでした。)
その時に、撮影されていた高齢の女性に「見えなくなった。ちょっと見えなくなった。」と笑いながら腕で私の身体を「グッ」と押しのけてきました。
人が密集していて動くことができなかったので、すみませんと謝っていましたが、結局、高齢の女性は私の方にカメラを持った腕を固定して撮影を再開されました。とても気持ち悪かったです。
常識がありそうでない人
人が密集している通りで進むことも戻ることもできない状況でも、ある程度歳を取っている人は自分の都合でグイグイ進もうとします。
前述したボディタッチを平気でする人の前をグイグイ人を押しのけ移動する50代ほどの夫婦がいたのですが、「山鉾巡行がいいところなので、移動しないでください」と注意されていました。
注意された男の方は「おー、はははははは」と笑っており、女性の方は「通りなんで通りますね」と周囲のことはお構いなしでグイグイ進んでいました。
郷に入れば郷に従えと言いますが、このような人たちは、人の家に行っても上座に座るタイプなのかなと思いました。
子供連れモンスターペアレント
また、子供連れのモンスターペアレントを山鉾巡行の際に見かけました。
人が密集していて、進めない場面で前にいる人(私です)に「ガンっ」とぶつかり、「え?」と振り返ると、こっちを見ずに「すみません、あーもう。〇〇ちゃんちょっと待って、前の人が進まないからお家に帰れないねー。」と言われました。
その後も、全然進めない状況に対して、前の人(私です)に直接何か言うことができないからなのかずっと子供に話しかけるように、前の行列が進まない不満を口に出していて、それを聞いてる周りの人たちは気分が悪かったと思います。
写真撮るのに乗り出して周りに迷惑をかける人
私は今回、山鉾巡行を2人で見に行ってきたのですが、一緒に行った方は身長が低く、列に並んでいたにもかかわらず、「私は地元でいつもここで巡行を見ている」と周りに聞こえるように話していた高齢の女性に「グッ」と割り込まれてしまいました。
無理やり身体を通りに乗り出して写真撮影をする人も何人もいて、全員が50代60代の高齢者だったのが印象的でした。
中にはかなり高そうなカメラで写真撮影をされている方もいて、周りに迷惑をかけて撮影した写真をどうするんだろうと不思議に思います。
過去の山鉾巡行を振り返る
ここからは私が撮影した祇園祭の山鉾巡行の様子を写真と動画をまとめています。
祇園祭に行った方も行けなかった方も祇園祭を感じたい方はぜひご覧ください。
2019年の前祭山鉾巡行
2019年の前祭山鉾巡行の日は晴天に恵まれ、多くの観覧客が見守る中おこなわれました。
私は、巡行のゴール地点である御池新橋から見させていただきました。
2022年の前祭山鉾巡行
2022年の前祭山鉾巡行の日は曇りの中、たびたび小雨が降る日となりました。しかし、3年ぶりに巡行が行われるということで山鉾が通るルートには多くの人々が集まりました。