この記事では、毎年7月中はずっと行われる京都の風物詩祇園祭で授かることができる粽(ちまき)について紹介します。
2022年の祇園祭の粽(ちまき)の販売状況については関連記事をお読みください。
また、祇園祭の目玉である山鉾巡行が行われる前3日間(宵山期間)には、それぞれの山鉾の会所や授与所で粽(ちまき)が販売されるので、お祭り気分を楽しみながら粽(ちまき)を買うのもおすすめです♪
祇園祭の粽(ちまき)
祇園祭といえば厄除けの粽(ちまき)が有名です。
粽(ちまき)といえば食べ物を思い浮かべる方が多いと思いますが、食べ物ではありません。
笹の葉で作られた御守りで、厄病や災難除けとして玄関に飾ります。
毎年、祇園祭の期間にだけ各山鉾町や八坂神社で販売されており、京都では多くの方が粽(ちまき)を買い求めます。
粽(ちまき)は一年経つと、新しいものを買い求め、古いものは神社に奉納する慣習になっており、京都の歩く時に玄関を見てみると良く飾っているのを見かけますよ。
粽(ちまき)を買い求める方はとても多くて完売になることもしばしば。
早いうちにお買い求めするほうがよいかもしれません。
また、縁結びや安産祈願、学業成就など各山鉾でご利益も違ってくるので、自分にあった粽(ちまき)を探すのも祇園祭の一つです。
お守りとしてだけではなく、祇園祭のお土産にもおすすめです。
祇園祭の期間中に山鉾町(山鉾が建てられるエリア)や八坂神社などで販売されています。
ちまきの販売は原則、祇園祭の宵山期間とされていますが、早めに販売を開始されることもあります。
購入したちまきは玄関に飾ることで、疫病神が家に侵入することを防ぎます。
粽(ちまき)の由来
この粽(ちまき)は八坂神社に祀られているスサノオノミコトに由来しています。
昔、蘇民将来(そみんしょうらい)という名前の男性の家に、旅人の格好をしたスサノオノミコトが訪ねてきて、一晩泊めてほしいとお願いしました。
蘇民将来は貧乏でしたが、できる限りのおもてなしをしたところ、スサノオノミコトはその心遣いにとても喜びました。
スサノオノミコトは蘇民将来にお礼として「今後あなたの子孫は末代まで私が守ります。目印として腰に茅の輪をつけていなさい」と言い残して出て行きました。
この出来事のおかげで、疫病が流行った際も、蘇民の一族は生き残り反映されたと言われています。
茅の輪と粽(ちまき)は一緒の意味合いですね。
以前、北野天満宮の夏越祓いに参加した時に、宮司さんに茅の輪くぐりの方法として、「われは蘇民将来の子孫なり。蘇民将来蘇民将来、蘇民将来蘇民将来」と唱えてください。
と教えていただきました。
祇園祭の粽(ちまき)の由来・厄除けについて
八坂神社に祀られている祭神「牛頭天王」と牛頭天王を快くもてなした人物「蘇民将来」に由来しています。
牛頭天王は、体は人間ですが、頭は牛のように角(つの)が生えていたことから結婚できずにいました。鳥のお告げから、自分を愛してくれる女性を求めて旅に出ます。
旅の道中で宿を借りようと富豪の巨端将来(こたんしょうらい)にうかがいましたが断られてしまいました。しかし、貧しい蘇民将来は粟のおかゆで、牛頭天王を快くもてなしました。
牛頭天王は、その後、竜女とめでたく結ばれることとなり、宿を貸してくれなかった巨端将来には罰を与えて一族を滅ぼし、一方蘇民将来には茅の輪を与えました。
蘇民将来は牛頭天王の教え通りに茅の輪を腰につけて疫病を逃れると、子々孫々まで長くにわたり反映したと言われます。
祇園祭でいただける粽(ちまき)に「蘇民将来之子孫也(わたしは蘇民将来の子孫ですよ)」と書かれているのは、この物語が理由ですね。
京都を散策すると茅の輪くぐりが開催されている神社がいくつもあります。
普段は、祇園祭ごろに期間限定で開催されますが、現在は、コロナウィルスが蔓延していることもあり、厄除けの意味がある血の輪くぐりを常時開催している神社もあります。東山区の八坂神社とか。
粽(ちまき)は食べることができる?
粽と聞くとわたしは食べ物を連想します。しかし、祇園祭でいただける粽は食べ物ではなく厄除のものなので食べることができません。
ただし、京都の和菓子屋さんでは、祇園祭にちなむ食べることができる粽(ちまき)を販売しているところもあります。そういうお店調べるの楽しいですよね〜。
販売される期間(日程と時間)
祇園祭ちまきは原則宵山(前祭)の7月14日から16日と宵山(7月21日から23日)に販売されます。
ただし、山鉾によっては販売期間が異なることもありますので、それぞれの山鉾保存会のホームページをご確認いただくことをおすすめします。
山鉾によって用意されているちまきの数には限りがあり、なくなれば、販売終了となります。ですので、どうしても手に入れたい方は早めに山鉾町や八坂神社を訪れて購入することをおすすめします。
販売される場所はどこ?
販売場所は山鉾町の会所や山鉾付近です。山鉾町によっては粽(ちまき)を買うと、山鉾に乗ることができる場合もあります。
ただし、長刀鉾・放下鉾は女性が乗ることができませんので覚えていてくださいね。あ、でも長刀鉾の場合は、鉾に乗る手前(建物の2階部分)までは女性も上がることができます。
女性でも、保存会が所有している普段は見れない貴重な品物を見ることもできますし。お母さんたちは長刀鉾に乗る息子の写真をパシャパシャ撮ってます!
粽(ちまき)の値段は?
販売されている粽(ちまき)は山鉾町によって異なります。だいたいは500円から1,000円ぐらいで販売されています。
また、粽(ちまき)以外にもキーホルダーや手拭いなど祇園祭や山鉾町にちなむグッズを販売しているところもあります。
粽の飾り方は?
いざ粽(ちまき)を買ってもどうしていいかわからない。。なんてならないように飾り方もお伝えしますね。
粽(ちまき)は厄除けのご利益があるとされています。疫病神(やくびょうがみ)が入ってくるとされる家の入り口である玄関の軒下などに吊るします。すぐ目に止まる場所に飾ると良いとも言われています。
京都市内を歩いているとよく粽を飾っている建物を見かけます。数は何個でも飾って良いのか、複数入り口に飾っている場合もありますね。
余談ですが、最近入った定食屋さんには、おそらくすべての山鉾の粽が店内の壁にずらっと飾られていました。
粽(ちまき)はどのように処分するの?
粽の処分は山鉾町や八坂神社に納めましょう。納められた粽(ちまき)は八坂神社に集められてまとめて炊き上げられます。
もし、京都にお住まいでなく、遠方に住んでいる方は、お近くの神社に納められるかを確認して納めましょう。
粽(ちまき)のご利益をまとめ
長刀鉾・・・厄除け・疾病除け
函谷鉾・・・厄除け・疾病除け
鶏鉾・・・厄除け・疾病除け
月鉾・・・厄除け・疾病除け
放下鉾・・・厄除け・疾病除け
菊水鉾・・・不老長寿・商売繁盛
船鉾・・・安産
占出山・・・安産
岩戸山・・・開運
綾傘鉾・・・縁結び・厄除け
四条傘鉾・・・招福・厄除け
保昌山・・・縁結び
孟宗山・・・親孝行
山伏山・・・火除け・雷除け
霰天神山・・・火除け・雷除け
郭巨山・・・金運・母乳の出を守る
伯牙山・・・疾病除け・技芸向上
芦刈山・・・夫婦円満・縁結び
油天神山・・・学問成就
木賊山・・・迷子除け・再会
太子山・・・知恵授与・身代り
白楽天山・・・学問成就・招福除災
蟷螂山・・・学問成就・招福除災
鯉山・・・立身出世・開運・家内安全
浄妙山・・・勝ち運
黒主山・・・盗難除け・疾病除け
役行者山・・・疾病除け・交通安全・安産
鈴鹿山・・・雷除け・安産・盗難除け
八幡山・・・夜泣き封じ・夫婦円満
大船鉾・・・安産
やはり祇園祭の山鉾の代表といえば銭湯をゆく長刀鉾。京都市内を歩いていても一番見かけることが多いかもしれません。
先ほど祇園祭の粽(ちまき)は厄除けのものだと説明しましたが、山鉾町によっては授かるご利益が異なってきます。
ご自身が求めているご利益を授かる粽(ちまき)を確認して、手に入れるのも面白そうですね♪
おしまいに
今回は、毎年7月中はずっと行われる京都の風物詩である祇園祭で授かることができる粽(ちまき)について紹介しました。
2020年、2021年は山鉾巡行が行われないなどイレギュラーなカタチで行われた祇園祭。しかし、2022年からまた山鉾巡行が再開されるなど本来の祇園祭の形に戻りつつあります。粽(ちまき)の販売も通常通り行われます。
今年はどうなるのでしょうか。気になる方は、保存会をまとめているので、ぜひご参考になさってください。